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お墓とはそもそもなんなのか?知っておきたい6の事

「お墓を建てる意味が分かっていない」
「お墓って必要なものなのか?」
「本来の意味をしっかり理解したうえで建てるか建てないか決めたい」

そんなことを思っている方向けに、お墓の「歴史」「法律」「物理的な意味」「精神的な意味」「宗教と思想」「現代の役割」を解説します。この6つは最低限抑えてほしい内容です。

~この記事で分かること~
お墓の「歴史」「法律」「物理的な意味」「精神的な意味」「宗教」「現代の役割」

~この記事を読んでほしい人~
お墓とは何なのか?をしっかり理解してから建てる建てないを決めたい人
シンプルにお墓の歴史に興味があるひと

▼目次(この記事は5分で読めます)▼
・お墓に関する法律「墓地、埋葬等に関する法律」
・お墓の歴史のキーは江戸時代
・お墓の意味は「物理的」「精神的」に分けられる
・仏教と神道に基づく日本人の思想
・【ちょっとしたチェック項目あり】現代におけるお墓の役割

お墓に関する法律「墓地、埋葬等に関する法律」

通称、墓埋法(ぼまいほう)と言います。法律の詳しい内容は解説しませんが、解釈と問題点について解説します。

お墓のルールについて述べている法律であり、建墓を強制するものではない

家族や自分が死んだとしたらお墓を建てるのは一般的ですが、これは決して義務ではありません。お墓を建てなければいけないとどこにも書かれていないことに注意が必要です。

この法律は主に「遺骨を土葬するときのルールについて記載している法律」です。

例えば、必ずお墓を建てなければいけないとしたとき「海洋散骨」は法律違反になってしまいます。ですがお国はこんな見解を示しています。

「 墓埋法はもともと土葬を問題にしていて、遺灰を海や山にまくといった葬法は想定しておらず、対象外である。だからこの法律は自然葬を禁ずる規定ではない 」

ですので、必ずお墓を建てなければいけないという誤った固定観念は捨てましょう。

とても古い法律

墓埋法は何かと多様化が進む現代向けの法律ではないと言えます。

その理由は、昭和23年5月31日施行であるという点です。終活も多様化していますから、カバーしきれていない分野が出てきています。

その根拠に、この法律は「海洋散骨」や「手元供養」に対応していません。どちらも現代では市民権を得つつある葬送の形です。

お墓も葬送も時代と共に変わりゆくものですので、そちらに対応する法律が望ましいことは言うまでもありません。

お墓の歴史のキーは「江戸時代」

ここからはお墓の歴史について、主要なものを解説していきます。

江戸時代前は庶民の墓がない

江戸時代前までは、庶民のお墓がありませんでした。

その理由は「墓が権利の象徴であったこと」と「神道によるもの」です。

神道については後述します。お墓が権利の象徴であったことは「古墳」を想像してもらえれば分かると思います。外国ではピラミット、日本では前方後円墳が有名ですね。

かつてはその大きさを競い、権利を誇示していたと言われています。

遺骨を埋める墓と祈る墓が別々にあった

日本人には民族宗教として無意識化に「神道」が刷り込まれています。これは「死んだら魂と肉体が切り離される」というもので、魂と肉体は別々に考えられています。なんとなくそんなイメージを持っているのでは?

これが理由で魂をおさめる墓を「参り墓」、遺体を収める墓を「埋め墓」としました。昔は、寺院のなかに簿石碑を建て、そこに魂を収めました。今ですと、災害などで犠牲になった方々に向け、鎮魂碑を建てます。それはこの「両墓制」が名残だと言われています。

江戸時代前までは、碑に向かい祈りを捧げました。庶民の墓が見つからないのはこのためです。

江戸時代にお墓が民主化する

江戸時代、徳川により檀家制度が設けられました。寺が庶民の墓を管理するという制度で、寺を中心とするコミュニティを作るためです。

ここから庶民でもお墓を作ることが一般的になりました。

お墓の意味

主に「物理的」な意味と「精神的」な意味に分けられます。

物理的な意味:自然物で最も頑丈な石でもって「遺骨を守るため」
精神的な意味:故人に向かって祈りを捧げ「心でつながる場」とするため

これは次に続く、日本人の宗教と思想から来ています。

宗教と思想

日本人の宗教は何でしょうか?世界的には無宗教国家と言われていますが「仏教」、さらに心の深いところに「神道」の考えが根付いています。

「仏教」とお墓

先人たちがお墓を建ててきた理由に、確実に「宗教」と「思想」が関係しています。その中でも仏教が顕著です。

仏教では「故人の遺骨をお墓に埋葬し供養することで成仏する」という考えがあります。この考えを基に先人たちはお墓を建ててご先祖様を供養してきました。

先祖祭祀(せんぞさいし)とい考え方

その意味は「すでに亡くなっているご先祖様ですが、私たちの生活に影響を及ぼしている」というものです。仏教的な考えです。

この考えに基づくと、故人の御遺骨を粗末に扱うことは私たちの生活に影響を及ぼします。ですので先人たちは立派な墓石でお墓を建て、遺骨を守ることにしました。お盆やお彼岸には、墓石の前で手を合わし、故人とのつながりを感じ、自身の生活を保障してもらうように祈るのです。

墓石の前で手を合わせて機嫌をとり、自分と家族の身の安全を念じる理由も分かります。

「死者」は恐ろしいものという考え方

先に述べた、石は頑丈ということ以外にお墓を石で作る理由はあるのでしょうか?

墓石でお墓を作る理由に、重い石で作ることで死者が出て来れないようにするという意味も込められています。死者が墓場から出てくることに、必要以上の恐怖を示しました。

埋葬の際には、大きい石を抱かせたり、遺体を折り曲げたりしてきた事例もあります。

日本人は特に「ご先祖様」とか「魂」といった、目に見えないものに必要以上の畏敬の念を抱きます。これも日本の宗教や思想から来ているものです。

現代におけるお墓の役割

今までのお話を少し整理します。

法律面:お墓を建てる法的義務は無い
歴史:お墓を肉体と魂で分けていた
意味:故人とつながる為、遺骨を守るため
宗教:仏教と神道
思想:先祖祭祀

以上を鑑みたときに、現代においてお墓を建てる意味があるのでしょうか?

お墓いる?チェック項目

□お墓の法律を説明できる、義務ではないことを知っている
□お墓をなぜ建てるか知っている
□個人もしくは自身の遺骨を守りたい
□墓石の前じゃないと故人を偲べない
□仏教徒である(仏教以外のお墓もあります)
□自分が死んだら肉体と魂が分けられ、魂は永遠に残り続ける
□ご先祖様が自分の生活に影響を及ぼすと信じている

お墓とはそもそもなんなのか?知っておきたい6の事まとめ

・お墓に関する法律「墓地、埋葬等に関する法律」
 →建墓は義務ではない、古い。
・お墓の歴史のキーは江戸時代
 →昔は庶民は建墓しなかった、両墓制(祈る墓と埋める墓は別)
・お墓の意味は「物理的」「精神的」に分けられる
 →物理的な意味:自然物で最も頑丈な石でもって「遺骨を守るため」
  精神的な意味:故人に向かって祈りを捧げ「心でつながる場」とするため
・仏教と神道に基づく日本人の思想
 →先祖祭祀の考え方、死者が自分たちの生活の影響を及ぼす
・【ちょっとしたチェック項目あり】現代におけるお墓の役割

お墓はいらない?

今お墓を建てている人の中で、本質的にお墓の意味を理解している人はどのくらいいるのでしょうか?本来の意味を踏襲しない習わしであるのであれば、もういらないものではないでしょうか。

特に日本人は形骸化した慣習に倣いすぎる傾向があります。 これらを本質的に理解した上でお墓を建てるか考えたいですね。

▼令和時代にはお墓がいらない理由▼
【3分で読める】令和時代にお墓はいらない理由

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